自律神経失調症。この言葉を聞いたことがある人は多いと思います。
しかし、これが一体どんな症状のことを言うのかはっきりと答えられる人はそんなにいないのではないでしょうか。
普段、何気なく感じている不快症状はありませんか。肩こり、頭痛、疲労感・・・。
原因不明の不快症状が長く続いている場合、実はそれも自律神経失調症である可能性が高いのです。
心身ともに不調!自律神経失調症とは?
自律神経失調症は、「自律神経」という体の機能を調節する神経が何らかの理由により、正常に働かなくなるために起こるものです。身体機能の調整は無意識的に行われるもので、活動を司る交感神経と抑制を司る副交感神経をタイミング良く調節することでバランスを保っています。
これがバランスを崩すと、身体的、あるいは心理的な不調があらわれることがあるのです。
人によって症状はさまざま!自律神経失調症の症例
主にこれと言って特定されておらず、症状の出方には個人差があります。
精神症状
気分の落ち込み、不安感、イライラ、記憶力・注意力の低下など。
全身症状
だるい、疲労感がとれない、めまい、食欲不振、不眠症状など。
呼吸器系
息が吸いにくいあるいは過喚起(過呼吸など)症状など。
皮膚系
肌の乾燥、かゆみなど。
消化器系
吐き気、便秘あるいは下痢、腹部膨満感など。
その他
手足の冷え・しびれ、動悸、頭痛、首・肩のこりなど。
このように、実に多種多様で、あらわれ方も人によって異なります。
まさに現代病!?原因はストレスや生活習慣
自律神経を乱す原因は、ストレスや生活習慣、体質などこれも個人によって差が出るもの。原因がわかれば対処できそうものなのですが、心理的な症状は特に、その要因の大きさに関わらず今すぐ改善できるとは言い難いですね。
心療内科に一度だけ行けばすぐ良くなるわけではないですし、何よりも自身が努力しなければ回復は遅れるばかりです。
できることから少しずつ改善!生活習慣の見直し
ストレス・イライラ感
イライラすると、お腹が空いてついつい甘いものを食べ過ぎたりしませんか?実はあれも自律神経が乱れて、食欲中枢がうまく働かなくなっているから起こるもの。
そんなときはお腹に腹巻きを巻いたりして温めると、自律神経に刺激を与え、正常な機能を取り戻すことができるでしょう。
カルシウム不足はイライラのもととはよく言いますが、それも理にかなった言われなのです。カルシウムには精神を落ち着かせる作用があるので、寝る前のホットミルクは気持ちの高ぶりを抑制し、安らかな眠りを誘います。
体質の改善
小さな頃から神経質で緊張しやすい、または体調を崩しやすいという人は、比較的自律神経失調症になりやすいというデータがあります。生まれつきの体質がそうなのだとも考えられ、その場合は体質から改善することが重要。
それには漢方薬を用いることがしばしばあり、症状や体質別に処方されます。漢方薬は長期の服用により改善を進めていくものなので、速攻性はありません。
しかし、その分副作用や依存性はほとんどないのです。
生活習慣の見直し
睡眠時間が少ない、生活リズムが不規則、偏食が多いなどの心当たりがあれば、生活習慣の見直しが必要になってきます。自律神経は整った生活リズムによって正常な機能を発揮するものです。
朝、目覚めたら日の光を浴びましょう。体が光を受けて、しっかりと目覚めます。
そこから生体リズムが整いやすくなるので、できるだけ同じ時間に起床するのが望ましいです。寝る時間はバラバラでも、起きる時間だけは一定を保ちましょう。
休息は十分にとりたいもの。できれば6時間以上の睡眠が望ましいですが、できるときだけでも構いません。
休日は早めに就寝するなど工夫を。
食事は主食・主菜・副菜をバランスよく。偏った食生活は精神面にも影響が及びます。
不快症状は体の悲鳴!体を労わろう
原因不明の症状があらわれることで、不安に感じることも多いでしょう。しかし、自分でそれに気づくことが一番大切なこと。
あなたの意識しないところで、体が悲鳴を上げている。数々の症状は、あなた自身に気づかせるためのサインなのです。
しっかりと自分を見つめなおし、労ってあげましょう。